私、木ノ脇にもゆかりの深いジパングプロダクツより、これまた普段から何かとつながりのあるヴァイオリン甲斐史子さんとピアノ大須賀かおりさんの二人組み「ROSCO」の新しいアルバム「てふてふもつれつつかげひなた」は木ノ脇が珍しく作曲家の顔だけで仕事してるCDです。

アルバムタイトル「てふてふもつれつつかげひなた」が、木ノ脇の作品のタイトルでもあり、これはもともと種田山頭火の句です。
大須賀さんがROSCOとは別の名義で委嘱してくれたこの曲ですが、こうして聞いてみるとタイトルといい、曲の響きといいROSCOのふたりにぴったりな気がします。
自分の作品だけでなく全体にとてもよくできた、聴いていて気持ちのいいアルバムだと思います。
「現代音楽」にいまいち踏み込めないな、というふうに考えてる人には最もお勧めしたいアルバムでもあります。
ストラビンスキーの「デュオコンチェルタンテ」から僕の曲につながる流れがとても自然で、まるでひとつながりの曲のようにも聞こえるのですが、僕の曲にはいたるところに即興的に演奏する仕掛けがあって二度と同じ演奏にならない、というのがテーマでもあり、これはストラビンスキーが即興演奏をひどく嫌っていたこととあわせて考えると、とても興味深いです。
値段も1000円とお手頃なので是非、ROSCOの世界を体験してみてはいかがでしょうか?